NISA iDeCo 税メリット診断 いくら? 計算で分かる 所得税・住民税軽減と運用益非課税額
NISA iDeCo 税メリット診断で「いくら」になる?具体的な計算の仕組みを解説
NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)が魅力的な資産形成制度として広く知られている理由の一つに、税制優遇、いわゆる「税メリット」があります。しかし、「具体的にいくらお得になるのか?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この「いくら」という具体的な金額は、個々人の状況によって大きく変動します。税メリット診断ツールでは、こうした個別の条件を踏まえて、NISAやiDeCoを利用することでどれくらいの税金が軽減されるかを算出します。この記事では、その診断結果が示す「税メリット額」が、どのような仕組みで計算されているのかを分かりやすく解説いたします。
税メリット額を構成する二つの柱
NISAやiDeCoで得られる税メリットは、主に以下の二つの要素から構成されます。
- 毎年の所得税・住民税の軽減(主にiDeCo)
- 将来の運用益にかかる税金の非課税(NISA・iDeCo共通)
税メリット診断ツールで算出される「いくら」という金額は、多くの場合、この二つの要素を合算、あるいはそれぞれの観点から提示しています。それぞれの仕組みを見ていきましょう。
1. 毎年の所得税・住民税の軽減:iDeCoの所得控除
iDeCoに拠出した掛金は、全額が所得控除の対象となります。これは、支払うべき税金の計算のもととなる「課税所得」から、iDeCoの掛金分を差し引くことができる仕組みです(所得税法第76条)。
所得税や住民税の税額は、「課税所得 × 税率」で計算されます。iDeCoの掛金によって課税所得が減るため、結果として所得税と住民税の負担が軽減されるのです。軽減される税額は、ご自身の課税所得に適用される所得税率と住民税率によって決まります。
例えば、所得税率が10%、住民税率が一律10%の方(合計税率20%)が、毎月2万円(年間24万円)をiDeCoに拠出した場合、年間で約24万円 × 20% = 4万8千円の税金が軽減されることになります。診断ツールでは、こうした税率と掛金から、毎年の税軽減額を計算します。
この毎年の税軽減は、年末調整や確定申告を通じて還付されたり、翌年度の住民税が減額されたりする形で実感できます。
2. 将来の運用益にかかる税金の非課税:NISA・iDeCo共通
通常、株式や投資信託を運用して得られた利益(運用益、配当、分配金など)には、約20%(所得税および復興特別所得税15.315% + 住民税5%)の税金がかかります(所得税法、地方税法など)。
しかし、NISAやつみたて投資枠・成長投資枠の非課税投資枠内で投資した金融商品から得られた運用益は、その課税がゼロになります(租税特別措置法)。iDeCoも同様に、運用期間中に得られた運用益に対しては税金がかかりません。
この「運用益非課税」による税メリットは、積立額が増え、運用期間が長くなるほど大きくなる傾向があります。診断ツールでは、将来の積立額や運用利回りなどを仮定して、非課税で運用することで将来的にどれくらいの税負担を回避できるか(将来の税軽減額)をシミュレーションによって算出することがあります。
例えば、100万円の運用益が出た場合、通常は約20万円の税金がかかりますが、NISAやiDeCoで運用していればこの税金がかかりません。この非課税効果が、将来の資産形成において大きな差を生む可能性があります。
診断ツールで「いくら?」が算出される仕組みと個別の条件
税メリット診断ツールが「いくら」という具体的な金額を算出する際は、上記で解説した所得控除による税軽減額と、運用益非課税による将来の税軽減額(シミュレーション)を、ユーザーの個別の条件に基づいて計算します。
特に、毎年の所得税・住民税の軽減額を計算する上で重要なのは、以下の要素です。
- iDeCoの掛金: 掛金額が多いほど、所得控除額は大きくなります。
- 課税所得と適用税率: 年収から、給与所得控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除、扶養控除、医療費控除など、様々な所得控除を差し引いたものが課税所得です。この課税所得によって適用される所得税率(累進課税)が決まるため、同じiDeCo掛金でも、年収や他の控除の状況によって税軽減額は異なります。診断ツールでは、こうした個別の状況を考慮して、正確な税軽減額を算出します。
運用益非課税による将来の税軽減額は、設定する積立金額、積立期間、そして仮定する運用利回りによって計算されます。これはあくまでシミュレーションであり、実際の運用成果を保証するものではありませんが、非課税効果の大きさを理解する上で非常に有効です。
具体的な金額を知る意義
自身の条件でNISAやiDeCoの具体的な税メリット額を知ることは、非常に重要な意義を持ちます。
- 制度のメリットを実感できる: 「税制優遇がある」という抽象的な理解から、「年間〇万円、将来〇万円の税負担が減る可能性がある」という具体的な金額で捉えることで、NISAやiDeCoを始める、あるいは継続するモチベーションに繋がります。
- 資産形成計画に組み込みやすい: 具体的な税軽減額を把握することで、それを手取り額増加の一部として認識し、将来の資産形成計画や家計のやりくりに役立てることができます。
- 制度選択・掛金設定の参考に: 診断結果を参考に、ご自身のライフプランや収入状況に合わせて、NISAやつみたて投資枠・成長投資枠でいくら投資するか、iDeCoでいくら掛金を拠出するかなどを検討する材料となります。
まとめ:自身の条件で税メリットを診断しよう
NISAやiDeCoの税メリットは、所得控除による毎年の税軽減と、運用益非課税による将来の税軽減という二つの柱から成り立ち、その具体的な金額は個々人の年収、掛金、他の控除の状況によって変動します。
診断ツールを利用することで、ご自身の置かれた条件で、具体的に「いくら」税メリットが得られるのかを知ることができます。これは、NISAやiDeCoを活用した効率的な資産形成を始める上で、非常に価値のある第一歩となるでしょう。ぜひ、ご自身の条件で税メリット額を診断し、その具体的な金額を資産形成の計画に役立ててみてください。